これは面白かった!ドキドキしっぱなしでした。
テアトルタイムズスクエアって、客席の傾斜が大きくて、ちょっと山の斜面みたいだから、面白さがさらにアップしたかも。
1985年。英国人登山家・ジョーとサイモンは、標高6600メートル、前人未到のシウラ・グランデ峰西壁の登頂に成功する。
しかし下山時にジョーが右脚を骨折。互いをザイルで結びふもとを目指すが、ジョーは氷壁を墜落、宙吊りに。共倒れを目前にサイモンはザイルを切断。クレバスに転落しながら一命を取り止めたジョーは、激痛に耐え決死の脱出を試みる。
原作は、奇跡の生還を遂げたジョー自身が書いた「死のクレバス アンデス氷壁の遭難」。俳優が演じる再現ドラマの合間に、本人へのインタビュー映像が挟み込まれます。
- 作者: J.シンプソン,Joe Simpson,中村輝子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/11/16
- メディア: 文庫
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冒頭、一面の雪に深々と残るいびつな足跡。いっぱい積もってるなあ(当たり前だ)と思いきや、カメラが引くと、それは、点々と口をあける巨大なクレバス…
頂上にたどりつくまでの描写でも十分面白くて、これだけをスクリーンで見るためにお金払っても惜しくないと思いました。だってほんとに垂直なんだ。ピッケルと、ナイフが何本も飛び出てるような靴の先を突き刺して一歩一歩登るの。実際のアンデス山脈で撮影したそうだけど、メイキングフィルムがあれば観てみたい…
登山経験のない私には謎である「どうやって用を足すのか」「何を食べるのか」などには触れられなかったけど(少しは触れてたけど…鍋に雪のかたまりをいれると、みるみる茶色くなったように見えたけど、あれは何なんだろう。映像の加減かなあ)、映像も話の内容も、とにかくすごくリアル。
とくにサイモンの心理描写に真実味があって(当たり前だけど!)、何らかの状況に陥って→心が動く、決断する、行動する、ただそれだけのことなんだけど、胸を打たれてしまいました。
(ところで、ジョーの骨折に際しサイモンがとった手段について、私は、へえ!そういう方法があるんだ、と感心してしまったのですが、登山家一般が使うテクニックなのか、それとも彼がその場で考えたものなのか、どっちなんだろう?)
私としては、ジョーが発見された後のこと、たとえば、まず何を口に入れたのか、どうやって運ばれたのか、あるいは清潔な病院のベッドで何を思ったか(写真は出てくる)、そして何より、エンドクレジットでちょっと触れられた、事件の後サイモンにふりかかった非難はどんなものであり、二人はどう対処したのか…そういったことにとても興味が湧きました。
映画としては、そこまで描いちゃうとクドイんで、バスッと切られててよかったけど、観たあとは色々考えずにいられない。上記の本には載ってるかな。買おうかな。
ちょろっと挿入される南米の風景も美しかったです。岩を這うでかいコオロギみたいのが出てきたけど、映画に写った人間以外の生物はあれだけかな?
「山を登る」なんて、ただ生きるだけなら、しなくていいことこの上ない行動なのに、人間はそういうこと、しちゃうんだなあ、面白いなあ、と思いました。
ボニーMのベスト盤、買おうかな…
- アーティスト: ボニーM.
- 出版社/メーカー: BMGメディアジャパン
- 発売日: 1998/11/21
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