美大生の出てくる作品を描く少女漫画家といえば、今なら羽海野チカ(早く次の連載に移って欲しい…)、もう一世代前なら、ぱっと思いつくのは吉田秋生と森脇真末味。この二人は雰囲気が似ている。正確には、表面的には似てるようで(男を描くのがとにかく好きってとこ)、じつは全然似てないといえるかな。音楽の趣味も違うし(笑)
ともあれ、漫画家さんは、デビュー当初は慣れ親しんだ環境を舞台にするものなのか、二人とも、初期は美大生が登場する、あるいは絵描きが主人公の作品を幾つか描いてます。
(ちなみにハチクロの舞台のモデルは多摩美(作者自身は美大出ではない)、吉田作品のはおそらく自身の出身校である武蔵美。武蔵美出身の少女漫画家には他にくらもち姉妹とか)
他に美大が出てくる少女漫画といえば、吉野朔実の「ジュリエットの卵」などがある。といっても私は美大については何も知らないんだけど。
私は吉田秋生、苦手なとこもあるのですが、初期の短編はどれも好きです。実家に置いてきてしまったので、デビュー作含む短編集「きつねのよめいり」を文庫で買い直しました。文庫ならこれと「夢みる頃をすぎても」(ASIN:4091910084)がやはりいい。短編好きってのもあるけど(大体最近の少女漫画は連載長すぎ!読むのたいへんだよ)
- 作者: 吉田秋生
- 出版社/メーカー: 小学館
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- メディア: 文庫
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(ちなみに私が吉田秋生のどこが苦手かというと、たとえば「十三夜荘奇談」(これは傑作。登場人物が過去の体験談をしみじみ語るという、後の作品にもよく見られるシーンが印象的)の作中、飲み会で脱いで踊ってる男子を見て女の子たちがキャーキャー喜ぶ→他の男「ヤダヤダ美大の女は…」という、まあどうでもいいひとコマがあるのですが、こういう、自分ひいては女性全般に対する自虐趣味が、どうにも合わない)