戦争のはじめかた


1989年、西ドイツの米陸軍基地。補給部隊のエルウッド(ホアキン・フェニックス)はヒマをもてあまし、物資の横流しやヘロイン密売に手をそめていた。上官のバーマン大佐(エド・ハリス)は彼と妻(エリザベス・マクガヴァン)の肉体関係にも全く気付かない、おめでたい男。
ある日、ひょんなことから大量の武器を手に入れたエルウッドは、大きな取引に出る。しかし、新たにやってきたリー曹長(スコット・グレン)が彼に目をつけていた。



とても面白かったです。うまく説明できないけど、充実してた。
一応主人公はホアキンなのですが、基地には色んな人がいるんだなあ、でもって、戦争がなかったらそりゃあ色々するよなあという。
新しい曹長がやってきてエルウッドのアレをぶっ壊したり、隊対抗の演習が行われたりってことで、クリント・イーストウッドの「ハートブレイク・リッジ」(ASIN:B0000C9VDG)を思い出してしまった。えーと、イーストウッドはどこに行っても強い!という…いや、好きな映画なんだ。話の内容は全く違うけど。スコット・グレンの風貌はイーストウッドにちょっと似てるけど、部下にばかり走らせて、見てるだけだしね(笑・そうはいっても「Million Dollar Baby」ではまさか自分でモリモリ走ったりしまいね、あの歳だし…余談でした)


エド・ハリスとスコット・グレンの二人がやはり面白くって、前者は、一見穏健そうなのに部下が進言すると突然無礼だなんだと怒り出したり、出世したくてしょうがないけど空気が読めずおべっかも裏目に出てしまったり、ほんとはそんな日々に疲れててワイン畑を夢みてたり、とにかく悲哀まみれ。鏡の前で将軍へ話しかける練習をするシーン、後頭部のハゲが延々と映るんで、なんかしみじみしてしまった。いや、「僕はラジオ」忘れたわけじゃないけど…
(「エロイカより愛をこめて」のファンが見たらちょっとびっくりしそうなくだりがあった。アメリカ人にとっては、イノシシってポピュラーな動物じゃないのだろうか?)
(あと、どうでもいいことだけど、妻のエリザベス・マクガヴァンが寝る前にメイク落としのコールドクリームを顔の半分しか塗らないのが気になってしまった。あとちょっと伸ばすだけなのに。イラついてる演技なのかな…)
リー曹長のほうは、娘のデートの跡を着けてクラブに入ろうとすると、「靴がダサすぎるからダメです」と断られる場面、その後挿入される白いくたびれたスニーカー履いた足、なんかああいうの、せつなくなっちゃう。この人も人格者からは程遠いんだけども。


ガブリエル・マンメガネ姿も良かったです。普段かけてない人だと新鮮で。これって「フルメタル・ジャケット」のマシュー・モディンかな?


エンドクレジット見てたら、プレスリーのアレ、ああいうとこから出してもらってるんだね。
それにしても、ガラかめの新刊読んだばかりなんで、ホアキンが桜小路優に見えて(そっくりじゃない?)あんまり気持ちよくなかったです…


ちなみにホアキンは新作「Walk the Line」でジョニー・キャッシュに扮してるのですが、その画像、痩せててカッコいい。
しかし撮影中、ジョニーの弟が事故に遭うシーンで、リバーの死が重なってパニック状態に陥ったんだとか(記事)。たいへんだ。