るきさんの食生活


雑誌「kunel」で思い出した話。
高野文子の「るきさん」(連載'88〜/ASIN:4480032118)に、友達のえっちゃんが一生懸命無添加の調味料を探してる横で、るきさんが(添加物使いまくったうえカロリーも高い)「ハムカツ」を買っている、という描写がある。
るきさんは今で言う「スローライフ」の見本のような女性だけど、食べるものには無頓着。図書館では焼きそばパンとファンタで一服、ウチでは炊きたてのゴハンメカブだけで夕食をすませてしまうこともある。その無頓着さが私には却っていやらしく思えることもある。そして、そう感じてしまう自分が恥ずかしい。同性の見栄や虚飾…「こんなにムチャクチャな食生活なんです」「こんなにいっぱい食べちゃった〜」とやたらアピールする人…に、必要以上に敏感になってしまってるんだなと。


今でもふと思い出すワンシーンがある。中学生のとき観てた「ザ・ベストテン」で、生中継先のお祭りの屋台?に工藤静香南野陽子がいるんだけど、二人とも手に焼きそば持ってて、カメラに映ってるの気付いてたか否かわかんないけど、工藤静香が自分の焼きそばを南野陽子の皿にせっせと押し付けてるの。それは、皿が映ったときに、私はこんなに食べたよ!って見せたいわけじゃん(工藤静香は当時「アメが大好きで、一日で一袋食べちゃいます」とよく言っていた。真偽のほどは知らないけど、とりあえず判るのは、彼女側が、それをアピールするのが有効だと考えてたということだ)。
こういうのって一体何なんだろう、と常々思ってるんだけど、80になったウチの祖母も「アプアプ(祖母流の「たくさん食べる」擬態語)食べちゃった」などと言ってるくらいだから、年頃過ぎたら止むもんでもないんだよなあ…


(関係ないけど、「るきさん」の「スローライフ」って、バブルに支えられたものだった(今ならあんな仕事、ないよねえ?あったらすみません)というのが、面白いとも思う)