安野モヨコ「脂肪という名の服を着て」ASIN:4396762798
引越しの際に一旦処分したのですが、新装丁版に未収録の回が入ってることに気付いたので、今更ながら買いなおしました。
過食嘔吐に陥る主人公・のこだけでなく、「自分より下の女」に安らぎを求める彼氏の斉藤くん、「やせなくてもいいんだよ」と説教するデブ専のおじいさん、デブをいじめて心のバランスをとるマユミ、太っていようがいまいが、皆が自分を守るために勝手なことばかりしているというお話。
冒頭、のこがスーパーで食料をヤケ買いするシーン、カゴの中に豆腐とか野菜とか入ってるんだよね。ウチ帰ってからはちゃんと皿に盛り付けて食べてるし。なんかリアリティないなー、もしかして「いくらなんでもパックのまま食べる人なんているの?私の感覚では想像つかなかった」という安野モヨコの隠れたアピールなのだろうか(←穿ちすぎ)と思ってると、だんだん皿は消え、お菓子の袋ばかりが散乱するようになっていく。


食べ物の描写が怖い漫画家といえばやっぱり山岸凉子。「蛭子」「星の素白き花束の…」「鏡よ鏡」などなど、後味悪いことしきり。
「恐怖の甘い物一家」もある意味怖いけど(笑)*1


全然関係ないけど、蛭子で思い出したけど、蛭子能収の「死んだら、やっぱり負けなんですよね」というのはなんかずしっとくる。*2

*1:お彼岸の日の夕食は「オハギ5個」、生卵や納豆にも必ず砂糖を入れて食べるという山岸凉子の実家の話

*2:ブロスの清水ミチコの連載より。蛭子さんに新しい恋人ができたらしい、と聞きつけた彼女が「奥さんとあんなにラブラブだったのに?」と突っ込んだところ、そういう答えが返ってきたのだとか。ちなみに奥さんは数年前に病気で亡くなっている